先日、ワイドショーで老夫婦が使われていない火葬場で焼身自殺なさったという報道があった。
寝たきりのおばあさんを、おじいさんが火葬場まで運び、一緒に中に入り、自ら火をつけて焼身自殺なされた。
遺書代わりに残されたメモには、点火時間まで書いてあったそうだ。
燃えさかる炎の中で、おじいさんは、おばあさんを抱きしめながら何を思って亡くなったのだろうか?
介護の過酷さから、愛する人と一緒にこの世から消えることを選んだ老夫婦。
老々介護の現実。
愛情から始まった介護が、介護する側も、される側もその過酷さに押し潰される。
虐待、自殺、置き去り、、、、

私の知り合いの老人保健施設にも、家族が夜逃げして、置き去りにされたおばあちゃんがいる。
施設には、数ヶ月に1回、数万円のお金が届く。
もちろん、金額的にはまったく割に合わないが、施設側は、追い出すわけにもいかない.
そのおばあちゃんは、自分には行く場所がないと思っているからか、自ら施設のお掃除を手伝う。
かわいそうで、掃除なんてしなくてもいいんだよと言うが、おばあちゃんはやめようとしない。


このような状況の中、いったい政治は何をしているのか?
私が、国会議員だった時、衆議院本会議場で民主党を代表して、「介護保険法等の一部を改正する法律案」に関する質問をした。そして小泉首相、尾辻厚労相に対し、「社会保障制度の一体的先送り、医療・年金・介護の三位一体の先送りだ」と厳しく断じ、「民主党が近い将来、政権を奪取し、安心できる社会保障制度を確立する」との決意を披露して質問を締めくくった。

郵政解散で大ダメージを受けた今、政権交代で日本を変えるといっても現実味がないといわれるであろう。
私の師匠達が10年以上前に、未来の総理大臣候補といわれながらも、自民党を飛び出した時、師匠達は「政権交代馬鹿」と言われていた。
しかし、10年が経ち、つい半年前までは、政権交代前夜と言われるまでになっていた。

郵政解散のダメージの回復をして、再び戦うための体制を整えるために時間はかかるだろう。
しかし、時間がかかっても、政権交代で政治を、日本を変えなければならない。
踏ん張り所だと思う。