我が選挙区にある村田町の竹ノ内の産業廃棄物の不法投棄問題についての質問

 現在、環境省が公開していらっしゃいます平成十四年度の不法投棄件数及び投棄量によりますと、投棄件数が九百三十四件、投棄量が三十一・八万トンと、平成五年から平成十四年までの十年間、毎年二十万トンから五十万トンの間を推移しています。過去十年間に投棄された量は三百六十一・四万トンにもなります。これは、八百万人の人間が住むこの東京二十三区の一般廃棄物の年間総排出量に相当する膨大な量です。
 一方、不法投棄された件数で申しますと、平成十四年度は九百三十四件、平成十三年度は千百五十件と、平成十年度からは毎年全国で千件前後の不法投棄が行われているのが実態です。
 このような膨大な産業廃棄物が山林や農地に投棄されていて、毎年投棄量の五割から七割程度、投棄者に原状回復をさせているものの、残りはまだ投棄されたままであるのが実態です。
 これらの産業廃棄物を山林や農地に放置したままにすると、地下水、土壌への環境影響が出て、地域住民に健康被害が出ることや農作物に影響が出ることは容易に予想される。
 そして、毎年千件を超える不法投棄がある中で、実施されているのは青森や岩手や豊島といったマスコミに騒がれた不法投棄のみで、そのほかの数千件に及ぶ不法投棄については、対応を一体どのようにお考えになるんでしょうか。マスコミに騒がれた二件の不法投棄以外の、毎年千件を超える不法投棄、政府の対応如何?

 政府において原状回復のための特別措置法を制定なさって取り組んでいらっしゃることは、本当に大きく評価できると思います。
 ただ、これまでの仕組みも、産廃特措法による仕組みも、地域住民が問題を指摘してから県や国が動いて、原状回復がされるまでの時間が余りにもかかり過ぎ、豊島のシュレッダーダストの不法投棄についても、また、青森、岩手の不法投棄の問題につきましても、問題が行政に指摘されてから行政が動くまでに、いずれも五年以上かかっております。
 不法投棄された廃棄物は、硫酸ピッチや汚泥のような液状のものはもちろんのこと、医療廃棄物や廃プラ、建設廃材に至っても、雨などにより土壌や地下水の汚染につながり、地域住民の健康被害や農作物への影響が容易に想像できます。また、住民が指摘してから原状回復される期間が長くなれば長くなるほど汚染は拡散し、原状回復のための社会コストも増大することが予想されます。
 現状の手続では、まず、住民の指摘を行政が認め、それから専門家から成る検討委員会を設けて議論し、実施計画を策定し、大臣による計画の合意、そして、そこで初めて詳細調査による汚染範囲の確定、適正措置といった長い手続を踏む必要があります。
 専門家の意見や対応策に係る検討、そして時間は必要だと思いますが、その時間が余りにもかかり過ぎる。この検討時間を短縮する方策や制度を検討し、汚染の拡散期間を短縮し、原状回復コストを低減する方が効率的だと考えられるが、政府の考え如何?


 生活環境上の支障、おそれという言葉ですが、この言葉自体が非常にあいまいではないかと私は思います。このことが、県が自由に解釈できる部分になってます。
 生活環境上の支障とは、土壌環境基準や地下水の環境基準、崩落のおそれ、廃棄物の飛散状況など、さまざまな側面があります。これらの側面についてもより具体的な基準を明確にしない限り、県の裁量によって、いつまでたっても放置されている不法投棄現場が我が国からなくならないのではないか、そして住民の健康被害を出し続けることにつながるのではないかと私は思うが、政府の考え如何?


不法投棄問題、この実態につきましてあえて具体例を申し上げさせていただきますと、私の選挙区宮城三区の村田町におきましても、産廃処分場に廃棄物を搬入して、致死量の三十倍の硫化水素が現場では発生しておりまして、周辺に悪臭をまき散らし、廃棄物がそのままになっているところがあります。
 悪臭は一九九四年ごろから出始めまして、周辺住民が県に対して一九九八年ごろから指摘していたにもかかわらず、具体的な対応がなされていませんでした。そして、その後、二〇〇〇年十二月に県がボーリング調査を行い、許可容量を上回る廃棄物が埋設されていることが確認されております。この時点で初めて保健所から業者に対し指導をしましたが、業者は、是正をすると言いながらも、二〇〇一年二月まで埋め立てられ続け、三月に不法な埋め立ては終わりました。
 このように、不法投棄の廃棄物の除去はコストがかかるため、本来原状回復すべき者や予算がない地方自治体は、どうしても前向きにならない実態がございます。このような状況の中で、現在の産特法のように、自治体からの実施計画に基づき認定するような仕組みであれば、全国各地で不法投棄問題に苦しんでいる地域住民の健康と安全を守るために、不法投棄の原状回復をする必要のある場所を判断する判断基準を政省令などで明確にする必要があると思うが、政府の対応如何?

 汚染原因者の費用負担について、現在は、汚染原因者が判明した場合、汚染した部分のみ排出責任として原状回復費用を負担する仕組みになっておりますけれども、汚染原因者が不明な場合や履行ができない場合は、県が代執行することになっています。
 予算が少ないことを考えますと、排出者に自社の廃棄物を撤去する原状回復費用のほかに、さらなる何かの方策を打ち出して原状回復費用に充てることも考えられますけれども、環境省の考え如何?