東日本大震災復興特別委員会で質問の機会を頂きました。

平成二十三年十月二十四日(月曜日)

    午後一時開議
○橋本(清)委員 細野大臣に質問をさせていただきます。

 細野大臣におかれましては、七月二十三日、私の選挙区にある丸森町にお越しいただきました。丸森には、福島の南相馬から三十名以上、丸森の学校に避難をなされている方がおられました。そのときに、大臣は、時間を十分におとりになり、しっかりとお話し合いをなされ、そして、原発事故というと福島県にだけ目が行ってしまうけれども、福島県外においても多くの人に迷惑をかけていることを改めて確認しました、しっかり対応していく必要がある、特に丸森町のように福島県と隣接していて原発からの距離が近いところが一番不安だと思うので、こういった場所の健康不安を取り除くことからスタートしたいとおっしゃられました。

 先日、復興特の視察で、私、チェルノブイリに視察に行かせていただきました。事故当時のソ連邦ウクライナ共和国保健大臣であり、放射線医学センターの元所長であられるロマネンコ氏にお話を伺う機会をいただきました。そのお話の中で、心理的、精神的問題を強調したい、政府が国民の不信を払拭することによって精神疾患の発生比率を下げることができるのだというアドバイスもちょうだいしたところです。

 大臣、丸森にお越しになられた際、私と大臣は同じ年ですけれども、我々よりも若いお母さん方、小さいお子さんにマスクをされて、プラカードを持って、どうにか対応してほしいという痛切な願いを大臣はお受けとめになられたと思います。病は気からという言葉もございますけれども、宮城県民の不安、不信の払拭のためにもっともっと頑張っていただきたいと思いますし、除染を初めとして、住民に対する説明会、内部被曝の状況把握など、健康を守る取り組みが非常に重要であると思います。この点について大臣の御所見をお伺いいたします。

○細野国務大臣 橋本議員の御地元の方とお話をしたときの記憶というのは鮮明にございまして、特に若い方が、多分そういう話を聞きつけて来られたんだと思うんですけれども、待ち構えておられて、切実な訴えをされたのは忘れることができません。

 その意味では、あれが七月のもう終わりごろだったかと思うんですけれども、それから月日がたっておりますので、依然としてまだ不安な状況に置かれている方がたくさんいらっしゃるということに関して、本当に申しわけないなという気持ちでいっぱいでございます。

 二点、御質問をいただきました。まず除染なんですけれども、この除染については、福島県内外で区別はしておりませんので、一ミリシーベルトを目標に国が責任を持って取り組んでいく、この方針にこれは偽りはございません。それでやってまいります。

 ただ、これまでの経緯からすると、どうしても福島県の方に基金をつくってそこでやってきたという経緯がございますので、福島県内で少しずつ本格的な動きが出てきているのと比べると、他県がおくれていることは否めない状況でございます。そこで、宮城県の方ともいろいろ協議をしておりますけれども、特に南部の方ではそれぞれの市町村によって状況が随分違いますので、環境省の方から直接、必要な市町村には足を運びまして、そこで除染が実施をできるように、そこは急ぎたいというふうに思います。

 もう一点、健康調査の方なんですけれども、こちらも宮城県の方と協議をしてまいりました。そこで、宮城県の方では有識者の会議を設置して、健康調査等について、必要性についての検討が始められるというふうに伺っております。

 まずは、これは宮城県の方でそうした会議を設置されるということでございますので、私どもとしては、その検討状況を踏まえて、必要があればいつでも対応できるような準備は怠らずにしてまいりたいというふうに思っております。

○橋本(清)委員 細野大臣、ありがとうございます。

 七月以来、私の相談にも本当に親身になって乗っていただいておりますし、また、自治体の方にも足を運んでいただいて丁寧に御説明なさっている、本当にその真摯な対応、心から感謝を申し上げます。

 そうはいいましても、なかなか住民の方々には国会の動きというか政治の動きというのが見えづらい、特に内々で事務的に調整をしている段階ではわかりづらいというところが数多くございます。その中で、現地で対策本部長をなされている郡和子大臣政務官に、放射線と健康の関係の部分で、県との交渉などさまざまな部分について、県議会では国から正式な通達がないんだとかそういったことも言われておりますけれども、内々でお話しになられていると思いますけれども、お話しできる範囲でお話しいただければというふうに思っております。

○郡大臣政務官 御質問ありがとうございます。橋本委員におかれましては、地元でさまざまなお声に耳を傾けていただき、これまでも本当に大変な取り組みをしていただいていることに、まずもって感謝を申し上げたいと思います。

 私も、宮城県の村井知事とは、現地本部長に就任いたしましてから、一週間に一度のペースで意見交換を行わせていただいております。この放射性物質にかかわる健康を守る取り組みにつきましても、この間、知事に直接お話しをさせていただいたところでございます。先ほど細野大臣の御答弁にもございましたけれども、宮城県の中で健康被害の調査に関する有識者会議というのが、あす第一回目が開催されることとなりました。細野大臣のお話にもございましたように、この会議での審議の行方を見守りながら、国そして宮城県との橋渡し、連携をしっかりと深めてまいりたいというふうに考えているところでございます。

○橋本(清)委員 三カ月目で、やっと徐々に成果があらわれてきつつあるのかなというふうに思いますけれども、なかなか県の立場等、いろいろあるんでしょうけれども、以前の七月の新聞に、県内版に、県の幹部の発言として、調査はやらない方がいい、やっても余計に騒がれるだけだ、そういった発言もマスコミに報道されましたけれども、実は私自身も県の幹部からこの言葉を聞いているんですね。なかなかこういったところの調整、現地での調整、非常に困難なことだとは思いますけれども、本当に住民の方々、不安で不安で仕方ないと思いますから、難しいと思う調整ですけれども、ぜひとも頑張って前に進めていただきたいなというふうに感じております。どうかこれからもよろしくお願い申し上げます。

 次に、再び細野大臣に質問させていただきます。

 瓦れきの広域処理のための放射性物質の基準の統一化についてお伺いいたします。

 この被災地の瓦れき、これは被災地だけで処理できるような量ではとてもございません。そういった中で、被災地の瓦れき処理を推進させるために、広域移動させることができることが必要です。そのため放射性物質の基準をお決めいただいたわけでございますけれども、実際には自治体が、地元住民の反発やさまざまなことがあるんでしょう、そういったものを恐れて、放射性物質含有がゼロであることを条件にする自治体などもあらわれてきております。そういった中で、自治体が国の基準を容易に上乗せしないような、そういった取り組みについて、大臣、御所見をお伺いしたいと思います。

○細野国務大臣 橋本委員御指摘のとおり、広域処理というのは極めて重要でございます。特に宮城県の場合には、一年間の廃棄物処理可能量の二十倍は出ている、単純に県内だけでこのまま処理を続けると二十年かかる、そういう大量の廃棄物が出ておりますので、広域処理はぜひ推進をしたいと考えております。

 環境省の方ではガイドラインを設定しておりまして、やはり受け入れ側の自治体で追加的な措置が必要となると、それはそれでまたそれぞれ大変な御負担をおかけすることになりますので、そうならないようにするために、焼却灰の放射能濃度が一キログラム当たり八千ベクレル以下となるようにという基準を設けております。したがって、この基準が安全性を確実に確保する基準であるということをしっかりとそれぞれの自治体に御理解いただけるようにお伝えをしてまいりたいと思っております。

 ただ、若干難しいところがあるのは、ゼロという基準は、正直言うと、なかなかそれだと難しいという状況があるんですけれども、若干低目の基準を設定することで受け入れてもいい、そういう自治体も出てきておりまして、そこはいろいろな自治体の考え方の若干の幅というのは我々も受けとめつつ、現実的に広域処理が進むように努力をしてまいりたい、これはもう環境省の大きな責任であるというふうに考えております。

○橋本(清)委員 大臣、本当に御苦労なさって、処理を受け入れていただける自治体にまで足をお運びになって説得されているということは本当に被災地としてはありがたく思っておりますので、大変な仕事ではありますけれども、ぜひとも頑張っていただきたいというふうに思っております。

 次に、瓦れきの火災について質問させていただきます。

 被災地の瓦れき、多くの仮置き場では高く瓦れきが積み上げられたままでございまして、火災が相次いでおります。火災は、私が八月二日の東日本大震災復興特別委員会で指摘した後も続いております。この点について、私の質問の後、国としてどのような対応をなされたのかについて質問させていただきます。

○高山大臣政務官 今、橋本議員から御質問いただきまして、八月のときも、なかなか顕在化していないというか、気づかれにくかった仮置き場での火災の問題、橋本議員が足でいろいろ現地を見ていただいて御報告いただきまして、本当にありがとうございました。

 ただ、もちろんそれまでにも、五月の段階から、仮置き場に対して、火災発生防止に対して留意事項をまとめたものは各自治体には通知させていただいておったんですけれども、残念ながら、八月、九月にも数件の火災が起きてしまったということは事実でございます。

 我々といたしましても、各県に常駐している環境省の職員、また技術者、こういった支援チームが巡回して支援を今まで続けさせていただいておりますし、また、九月二十一日に、再度、今までの留意事項と、さらに、ガス抜き管を入れましょうですとか、細かい注意事項を各県に対して通知させていただいたところでございますが、引き続き、ぜひ橋本議員にも、生の、実際御自身で見られたことをまたお知らせいただければと思います。

○橋本(清)委員 高山政務官、ありがとうございます。さまざまな対応をとっておられたということでございます。

 これは、現実に未然に防がれた災害もあるんですね。私の地元の岩沼市では、この話があった後に、二十四時間体制で警備員を常駐させていただいて、夜中にどうやら煙というかぼやがあったらしいんです、そのときに、重機でそこを掘り出して消火して火災を未然に防いだということもございます。本当に被災地はやることが多過ぎて、なかなかパンク状態にある状況ですけれども、皆さんからそうやってアドバイスをいただくと効果は上がるものでございますから、今後とも、粘り強くそういった指導の方をよろしくお願いしたいなというふうに感じております。

 次に、小宮山大臣に御質問をさせていただきます。

 仮設住宅の問題です。

 もうそろそろ寒い季節になりました。断熱設備のない仮設住宅で本当に寒い思いをしている状況でございます。宮城県での仮設住宅の断熱化のおくれについて、大臣の御所見をお伺いいたします。

○小宮山国務大臣 厚生労働省としましては、応急仮設住宅の寒さ対策について、何回かにわたって通知を出して、その取り組みを促してきています。

 まず、三月十九日に、応急仮設住宅の仕様は寒冷地に配慮するよう周知をいたしました。六月二十一日には、既に完成した応急仮設住宅について、断熱材の追加や窓の二重ガラス化など寒さ対策として追加的に対応した場合の費用も国庫負担の対象となるということを通知しました。

 しかし、入居者の方へのアンケート調査で、依然として寒さ対策が不十分だという回答が寄せられましたので、九月二十八日に、エアコンの追加設置など寒さ対策の具体的な方策を提示いたしまして、早急に取り組みを強化するよう改めて促し、さらに十月七日には、プレハブの応急仮設住宅に対しストーブ等の暖房器具の設置も国庫負担の対象となる旨、通知をいたしまして、なるべく早く万全を期すようにと促しております。

 なお、十月二十一日、先週開催されました応急仮設住宅の居住環境改善等に関するプロジェクトチームでは、宮城県の方からも、おっしゃるように宮城県が一番遅かったんですけれども、寒さ対策への取り組みを強化して、県として対応するものは十二月中の完了を目指すという報告を受けています。

 ただ、もう既に寒くなっているということですので、宮城県に対しまして、寒さ対策の進捗状況をさらに定期的に報告を求めて、対応を徹底していきたいというふうに考えています。

○橋本(清)委員 皆さんに本当に一生懸命親身になって御支援いただいていることを感謝いたします。これからもどうかよろしくお願い申し上げます。

 ありがとうございました。